介護の仕事をする上で頭に入れておきたいことと言えば、加齢に伴う心の変化です。
介護の現場では、要介護者の多くは高齢者であることが多いでしょう。普段から高齢者に接する機会があり、対応にも慣れているといった場合には問題ないでしょうが、高齢者を十分に理解していないなら、介護をする上で苦労する場面も増えるかもしれません。介護の仕事を適切に行うためにも高齢者への理解を深めるためにも、加齢に伴う変化を理解し、高齢者の心情に寄り添う努力が大切です。

高齢になると、身体能力が衰えたり、思考速度が低下したりすることは珍しくありません。寧ろ自然なこととも言えますが、本人にとっては受け入れがたいという場合もあるでしょう。
大きな声でゆっくり話しかけたり、同じことを繰り返し伝えたりするのは、本来、高齢者への対応としては間違っていません。しかし、高齢者として扱われることを嫌っている要介護者に行うのは、適切ではないはずです。正しい対応は受け手によって変わることがあります。要介護者を理解し、適切な対応かどうかよく考えることが大切です。
また、介護の必要性についても、納得し、積極的に助けを求める要介護者もいれば、介護されることはもちろん、他人の助けを借りることすら良しとしない要介護者もいます。介護サービスを受けていても、介護についてどう考え、何を求めているのかは要介護者によって様々です。要介護者をよく観察し、一人一人に合った対応をすることが欠かせません。
なお、加齢に伴い心身の自由が利かなくなると、他人への配慮に欠けることや卑屈になることも増えてしまいます。不満にしろ要望にしろ、ストレートに表現する人ばかりではないので、言葉通りに受け取らないことも大切です。